1.倉庫内バイト、異例の高時給 By 日経(2017.10.3)
人材派遣のワールドインテックは9月から倉庫内作業のアルバイトを異例ともいえる
高時給で募集を始めた。
週40時間以上働き、夜勤をする場合の時給は1600~1875円、他の勤務形態も1470円以
上と通常と比べて50円引き上げた。
無欠勤などの条件を満たせば追加で週1万円が支給される。
時給額の適用は10月1日から12月25日まで。
派遣先は電子商取引(EC)大手が小田原市に持つ物流センター、同様の業態の平均時
給は1000~1100円程度、ここまで高い「リッチバイト」になったのは年末商戦に向
け、短期で300人を集める必要があるためだ。
これからますますこのような物流センターや外食などで、バイト募集は熾烈になる。
2.シェアリングエコノミーと自動車産業の行方!
これからのビジネスの一つはシェアリングビジネス(エコノミー)といわれている。
現存しているものを再活用して有効活用する。
経済学的にいうと「物的資本生産性の向上」である。
車や駐車スペース、空き家、マンションなどに米国発のスマホ(IT)を使ったビジネ
スが成長している。
その代表は車のシェアリングを始めたウーバーである。
創業者は退任に追い込まれたが、企業価値は600億ドル(約7兆円)もあるという。
これに目をつけたのがソフトバンクグループで今やウーバーの2割前後の株式取得に
動いていると報道された。
ソフトバンクは中国やインドなどのライドシェア企業にも出資している。
このシェアリングビジネスを可能にしているのがネット技術の進化とスマホの普及
で、双方をリアルタイムで引き合わせることが可能になった。
事業者は双方の仲介や料金決済などの仕組みを提供し、ITと自動車という二大巨大産
業の接点は、それぞれのプレーヤーを引き寄せる。
前者にアップルやグーグル、アリババ、後者はトヨタ、ホンダ、GMなどで、各社と
も、ライドシェア大手への資本参加や提携に走っている。
しかし一方で「自動運転が普及すれば、ライドシェアビジネスそのものも存在意義が
問われ、崩壊する」と言う人がいる。
いずれにしてもこれから10~20年で大変化が起きる。
参照資料:添付ファイルの「ライドシェアを巡る業界地図」
3.これからの企業経営を根本から変えるかも知れない「ESG」!
今、世界的企業が「ESG投資」に戦々恐々としている。
「ESG」は、世界中で投資されている資金(ファンド)の4分の1にあたる約2600兆円
が各企業やプロジェクトに投資されている。
この投資ファンドは環境問題のEnviroment(E)、社会問題のSocial(S)、企業統
治のGovernance(G)の視点から、投資を行うというものである。
企業が環境問題にふれるような形で資源調達していないか?というのが視点である。
例えば、今、東京オリンピックに備えて国立競技場の建設をしているが、マレーシア
産の木材を使用しているため、これを使っているゼネコンに「マレーシア産の木材使
用をやめなければ投資から撤退する」と勧告したのである。
あるいは洗剤にパーム油脂が使われているが、このパーム油脂の労働に子供が利用さ
れていれば人権問題に接触する。
このように、「持続可能な社会に貢献する会社に投資をしていく」というのがESG投
資の考え方である。
安くて、どんな環境でも資源や労働力が確保できればそれで良いという旧来の資本主
義の発想が通用しなくなる時代が来つつある。
4.最近、話題になっている日本でノーベル賞を受賞された方々の心配の声!
今年は生理や医学、物理などで4年連続で続いた日本人の受賞が途絶えた。
こういったことや、今、日本の学生が物理などの分野で大学に入学して来る数が減っ
ていること、研究者になる人が減っていること、政府もこういう分野の予算を削減し
ていることにノーベル賞を受賞された方々が警告を発している。
「このままでは10年後以降、日本は研究や技術分野で世界の二流国に成り下がってし
まう」というのである。
少子化時代、資源のない日本において、最大の資源は「人財」だと国のリーダーも分
かっているはずだと思うのだが・・・。